信じてないとか、そういうことじゃないんだ。

ただ、不安なだけで。

あいつの中で、あの男の存在がどれだけデカいかくらい、嫌というほどわかってるから。



endress repeat


「松本、辞令聞いてたな?」
地獄蝶により現世行きの辞令が伝えられた。
護廷十三隊の隊長格は、虚圏に向かう者と、現世に向かう者に分けられ、
十番隊の二人は現世で藍染たちを迎え撃つ側に数えられることになった。

了解の返事をした日番谷の斜め後ろには、さっきまで机に向かっていた松本が立っている。
「...はい」
日番谷が松本の方を見やると、彼女は長い睫毛を伏せて、自分の足元を見つめていた。

「今回はこの間とは違う。
現れるのはより上位の十刃とその従属官だろうし、
藍染も、現世に来るだろう、
...あいつも、「隊長、」
松本は、かがんで日番谷と目線を合わせると、彼の口元にそっと指をあてその言葉を制し、小さく首を横に振った。



「あたしの心は、いつも隊長と共に在ります。
隊長が、ついてこい、って仰ってくださりさえすれば、あたしはどこへでもついていきます。
―以前、そう申し上げたこと、お忘れですか?」
松本はそこまで言うと、日番谷に向け、いつも通りの笑顔を見せた。

「あぁ、覚えてる」
―それでも何度も聞きたくなるんだ




(俺は臆病だから、お前を失うことばかり恐れている)
(お前が俺に忠誠を誓う、その時だけは、お前は確実に俺だけのものになるから)


(だから何度でも、誓って)



Postscript *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


乱菊さんの「何の話です?」(by38巻)から生まれた久々日乱ショートです。
あえて訊いちゃうひっつんが、かわいいなぁと思ったもので←
日乱は永遠です。


(初出09/04/06)


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